韓国はアジア最大の「お酒大国」!驚きの消費量データ
こんにちは!韓国ドラマを見ていると、登場人物たちが焼酎やビールを楽しむシーンが本当に多いですよね。「また飲んでる!」と思ったことはありませんか?
実は、これには理由があるんです。韓国は世界保健機関(WHO)の調査によると、韓国人1人あたりの年間アルコール消費量が約10.2リットルで、日本の8リットルやアメリカの9.8リットルと比べても圧倒的に多い、アジア最大のお酒大国なのです。
この記事では、韓国語学習歴1年程度のあなたが「へぇ、そうだったのか!」と納得できる、韓国のお酒文化の全体像をお伝えします。旅行で韓国に行ったとき、現地の人と飲む機会があったとき、きっと役立つ知識ばかりです。
この記事を読むとわかること:
- 韓国人がお酒を飲む本当の理由と文化的背景
- 知らないと失礼!韓国の飲酒マナー完全ガイド
- 日本と韓国の飲み会文化の決定的な違い5選
- 2025年最新!若者世代が変える韓国のお酒トレンド
- すぐに使える韓国語フレーズ集
韓国でお酒が「特別な存在」である理由
お酒はコミュニケーションの必須ツール
韓国ではお酒は単なる飲み物ではなく、人間関係を築くための大切な「コミュニケーションツール」として文化に深く根付いています。日本でも飲み会は大切ですが、韓国ではさらにその重要性が高いんです。
集団で酒を酌み交わす文化が強く、家で一人で飲むことはほとんどありません。お酒を飲む動機は個人の内部にあるというよりは外部要因、つまり「誰かと一緒に飲む」ことが前提になっています。
韓国語で覚えよう:
- 술자리 (スルチャリ) = 飲み会、お酒の席
- 회식 (フェシク) = 会社の飲み会
- 건배 (コンベ) = 乾杯
韓国人は一人で晩酌する習慣がほとんどありません。そのため、毎日家で晩酌する日本人を見ると「アルコール依存症では?」と心配することもあるんです。これは文化の違いですね!
歴史的背景:なぜお酒文化が発展したのか
韓国において飲酒が「文化」となった背景は古く、歴史的にはアルコールが健康に良いとされてきました。血行を良くし、消化を助け、筋肉を強化すると考えられていたのです。
韓国のお酒の歴史は古く、三国時代(紀元前1世紀〜紀元後7世紀)にはすでに酒造りが行われていました。特にマッコリは庶民の間で親しまれてきた伝統酒の代表格で、農村では収穫の祝いや儀式の際にお酒を神様や祖先に捧げる文化が根付いています。
知らないと恥をかく!韓国の飲酒マナー完全ガイド
韓国でお酒を飲むときは、日本以上に細かいマナーがあります。特に目上の人と飲むときは要注意!
基本マナー1:両手で受け取る・注ぐ
韓国では、お酒を受け取るときも注ぐときも、常に両手を使います。特に上司や目上の人がお酒を注いでくれる場合は、必ず両手で受け取ることが重要です。
実践方法:
- グラスを右手で持つ
- 左手をグラスの底または右手に添える
- 軽く頭を下げて感謝の気持ちを表す
基本マナー2:横を向いて飲む
これは日本にはない、韓国独特のマナーです!
年長者や上司に敬意を表すために、目上の人の前では顔を横に向けて飲む必要があります。これは義理の両親の前では必須であり、社交的な集まりでは注意して行う必要があります。
同僚や友人同士なら横を向く必要はありません。「誰と飲むか」によってマナーが変わるのが韓国流です!
基本マナー3:グラスが空になってから注ぐ
日本では相手のグラスが空にならないうちから追加でお酒を注ぐのが一般的なマナーですが、韓国では空になってから追加のお酒を注ぐのが一般的です。
「ちょっとでも杯にお酒が残っていたら注ぎ足してはいけない」というルールがあり、日本のようにグラス半分くらいビールが残っている状況で注ぎ足そうとすると「まだ残ってるでしょ!」と怒られることもあります。
韓国語で覚えよう:
- 술을 따르다 (スルル タルダ) = お酒を注ぐ
- 술잔이 비다 (スルチャニ ビダ) = グラスが空になる
- 두 손으로 (トゥ ソヌロ) = 両手で
基本マナー4:頻繁な乾杯文化
韓国では誰かが杯を持ったらその都度「カンパーイ!」となります。日本は最初に一度乾杯したら後は自由に飲みますが、韓国では常に誰かが杯を持っていないかを視野の端で意識しています。
乾杯の回数が多いので、乾杯しても飲み干す必要はなく、グラスに口をつけるだけでOKです。ただ、乾杯に加わらないと「あれ、なんで?」となってしまいます。
基本マナー5:自分で注がない
韓国では、グラスが空のままであることは失礼とされています。また、自分で注がず、他の人が注いでくれるのを待ちます。そして積極的に他の人にお酒を注いであげましょう。
日本と韓国:お酒文化の決定的な5つの違い
違い1:一人酒の文化
日本: 晩酌文化が根強く、家で一人でお酒を楽しむのが一般的
韓国: 韓国人は一人でお酒を飲むことはあまりなく、みんなで集まって飲むのが基本
最近は「혼술(ホンスル・一人酒)」「홈술(ホムスル・家飲み)」という新しい飲酒スタイルが若者の間で流行っていますが、これは従来の韓国文化からの変化なんです!
違い2:つぎ足しのマナー
日本: グラスが空になる前に注ぐのが気遣い
韓国: グラスが完全に空になってから注ぐのがマナー
違い3:食事とお酒のスタイル
日本人は料理を食べながら一緒にお酒を飲むことが多いですが、韓国では「思いっきり食べた後に、思いっきり飲む」というスタイルが一般的です。
違い4:シメの文化
日本: 飲んだ後はラーメンやお茶漬けで「シメ」
韓国: シメの文化がなく、限界まで飲み続けます
違い5:会計スタイル
韓国では上下関係に厳しい文化があり、先輩や上司が全部ごちそうするというケースが結構あります。1次会は一番目上の人が、2次会は二番目の上司・先輩が出すという、階層に応じた会計の流れが多く見られます。
韓国で人気のお酒トップ3と楽しみ方
1位:焼酎(소주/ソジュ)
ソジュは米、小麦、ジャガイモなどを原料とした蒸留酒で、アルコール度数は一般的に17〜20%程度。透明で口当たりはすっきりしており、食事によく合います。
人気ブランド:
- 참이슬 (チャミスル) = 日本でも有名な緑の瓶
- 처음처럼 (チョウムチョロム) = 「初めてのように」という意味
- 좋은데이 (チョウンデイ) = 「いい日」という意味
最近では果物フレーバーや炭酸入りの飲みやすい系も人気で、グレープフルーツや白ぶどうなどのフルーツフレーバーの焼酎もトレンドです。
韓国のスーパーマーケットやコンビニでは、500mlのボトルが1,000ウォン(約100円)程度で手に入ることが多く、非常に手軽に楽しめます!
2位:ビール(맥주/メクチュ)
韓国産ビールの定番は「Cass(カス)」「TERRA(テラ)」「Kelly(ケリー)」などで、2018年の統計では消費されるお酒の40%をビールが占めています。
日本と違って、普通の飲食店には瓶ビールが多く、生ビールは飲み屋に限られる傾向があります。
人気の組み合わせ:
- 치맥 (チメク) = チキン × ビール(韓国の定番!)
- サムギョプサル × ビール
3位:マッコリ(막걸리/マッコリ)
マッコリは米や麦などの穀物を使った自然発酵酒で、庶民の間で親しまれてきた伝統酒の代表格です。白く濁った見た目が特徴的です。
驚きの文化:雨の日はマッコリ!
韓国人がマッコリを飲むシチュエーションは大きく2つあり、その1つが雨の日です。雨の日は「ジョン(チヂミ)とマッコリ」をイメージし、雨の日に「今日マッコリ行く?」というとニヤッとされて「もちろん!」と返ってきます。
マッコリはジョン(チヂミ)と合わせるものと相場が決まっているようで、韓国に3年住んでいても、サムギョプサル+マッコリ、ダッカルビ+マッコリなど、ジョン以外で組み合わせて食べたことはほとんどなく、ジョン屋さん以外ではマッコリを置いていないこともあります。
平日にマッコリを頼むと「あ、この人外国人だな」とバレることも!雨の日+ジョン(チヂミ)がゴールデンコンビです。
韓国語で覚えよう:
- 비 오는 날 (ピ オヌン ナル) = 雨の日
- 전 (ジョン) = チヂミ
- 막걸리 한 잔 할까요? (マッコリ ハンジャン ハルカヨ?) = マッコリ一杯どうですか?
2025年最新!変化する韓国のお酒トレンド
MZ世代が変えるお酒文化
MZ世代(1980年から2004年生まれのミレニアル世代とZ世代を合わせた造語)を中心に、お酒の嗜好や飲み方に大きな変化が見られます。
KPRデジタルコミュニケーション研究所の調査によると、MZ世代の49%がワインを、27%がウイスキーを好むと回答しました。従来の焼酎やビールに代わり、ワインやウイスキーなどの洋酒を楽しむ人が増えています。
新しいトレンド:
- ミクソロジー(Mixology) = 好みに合わせて自分でカクテルを作る楽しみ方
- 質重視 = 安いお酒を多く飲むより、味や素材にこだわって楽しく飲む
- 低アルコール = 1965年は30度の焼酎が主流でしたが、現在は18度前後、最近では15度前後の商品も見かけるようになりました
飲み会文化の変化:「꼰대文化」からの脱却
年長者が若者に対し「俺の時代は〇〇だった」と過去の経験を持ち出し、それが絶対的な価値観であるかのように語る様子を「꼰대(コンデ)文化」と呼び、MZ世代を筆頭とした若者が古い慣習に異を唱える動きが増えています。
大手企業の中には「夜9時以降の会食は原則禁止」など、社内に飲み会のルールを設けている会社が出てきており、長時間拘束される会食を避け、プライベートな時間を確保しやすくする動きが広がっています。
コロナ禍を経て個人の時間を大切にする意識が高まり、「혼술(ホンスル・一人酒)」「홈술(ホムスル・家飲み)」といった新しい飲酒スタイルが流行る中、飲み会に付き合う必要性を感じなくなった人も多くいます。
韓国語で覚えよう:
- 꼰대 (コンデ) = 頑固で古い考えの年長者
- 혼술 (ホンスル) = 一人酒
- 홈술 (ホムスル) = 家飲み
- MZ세대 (MZ セデ) = MZ世代
すぐに使える!韓国のお酒席で役立つ韓国語フレーズ集
乾杯のフレーズ
基本:
건배! (コンベ!) = 乾杯!
위하여! (ウィハヨ!) = 〜のために!(乾杯)
丁寧:
한 잔 하시죠. (ハンジャン ハシジョ) = 一杯やりましょう
お酒を勧める・断るフレーズ
勧める:
한 잔 더 하실래요? (ハンジャン ト ハシルレヨ?) = もう一杯いかがですか?
술 좋아하세요? (スル チョアハセヨ?) = お酒好きですか?
断る(丁寧に):
오늘은 이만 마시겠습니다. (オヌルン イマン マシゲッスムニダ) = 今日はこのくらいにしておきます
술을 잘 못 마셔요. (スルル チャル モッ マショヨ) = お酒があまり飲めません
感謝のフレーズ
맛있게 먹었습니다. (マシッケ モゴッスムニダ) = 美味しくいただきました
잘 마셨습니다. (チャル マショッスムニダ) = よく飲みました(ごちそうさま)
お酒の席では少しカジュアルな言い方の方が場が和みます。親しい間柄なら「건배!」「한 잔!」だけでも十分です!
よくある質問(FAQ)
Q1: 韓国人はなぜそんなにお酒が強いのですか?
集団で酒を酌み交わす文化の良い点は、家で一人で飲むことがほとんどないことです。お酒を飲む動機が外部要因にあるため、習慣的な中毒者が西欧に比べてあまり多くありません。ただし悪い点は、雰囲気に流されて飲みすぎたり、暴飲してしまうことです。
つまり、強いというより「集団の雰囲気で飲む量が増える」文化なんです。個人差はもちろんありますが、文化的に「みんなで飲む」機会が多いため、飲酒に慣れている人が多いのは事実です。
Q2: お酒が飲めない場合、韓国の飲み会は断れますか?
年上や職場での地位の高い人からのお酒を断るのは失礼とされていますが、最近は大手企業で明示的に飲み会の参加や飲酒を義務付けないルールを設けている会社が出てきており、従業員同士の良好な人間関係を重視する流れから、このような動きが広がっています。
対処法:
- 事前に「お酒が飲めない」ことを伝える(술을 못 마셔요)
- 소맥(ソメク=焼酎×ビール)などの強いお酒は避け、ビールだけにする
- お酒が強くない人は、乾杯用にビールをコップ1/3くらい残して、あとは水を飲んでいました。注ぎ足されないので楽です
Q3: 韓国旅行でお酒を楽しむとき、初心者におすすめの場所は?
おすすめスポット:
- 屋台(ポジャンマチャ) ビニールテント状の屋台「幌張馬車(ポジャンマチャ)」も人気があります
- 雰囲気抜群!韓国ドラマの世界を体験
- 比較的カジュアルで入りやすい
- チキン屋さん
- 치맥(チメク=チキン×ビール)を体験
- 若者にも人気で気軽に楽しめる
- サムギョプサル屋さん
- 食事メインで少しずつお酒を楽しめる
- 観光客も多く安心
まとめと今すぐできる3つのアクション
韓国のお酒文化は、単なる飲み物を楽しむ以上の深い意味を持っています。人間関係を築くための大切なコミュニケーションツールとして、集団行動や上下関係を重んじる傾向が色濃く残っていますが、同時に人と人との距離を縮め、みんなで場を楽しみ、お互いを思いやる気持ちがマナーに込められているのが魅力です。
重要ポイントの振り返り:
✅ 韓国はアジア最大のお酒大国(年間消費量10.2L vs 日本8L)
✅ お酒はコミュニケーションツール、集団で飲む文化が基本
✅ 厳格なマナー:両手で受け取る、横を向いて飲む、空になってから注ぐ
✅ 日本とは異なる文化:つぎ足し禁止、晩酌習慣なし、頻繁な乾杯
✅ MZ世代による変化:ワイン・ウイスキー人気、個人主義、低アルコール
✅ 雨の日はマッコリ×ジョンが定番!
今すぐできる3つのアクション:
- 韓国語フレーズを3つ覚える
- 건배! (コンベ) = 乾杯
- 한 잔 하실래요? (ハンジャン ハシルレヨ) = 一杯どうですか
- 술을 잘 못 마셔요 (スルル チャル モッ マショヨ) = お酒があまり飲めません
- 日本で韓国のお酒を試してみる
- まずはチャミスルのフルーツフレーバーから
- 韓国料理屋さんで치맥(チキン×ビール)を体験
- 雨の日にマッコリ×チヂミを楽しむ
- 韓国ドラマの飲み会シーンを注目して見る
- マナーや文化の描写をチェック
- 使われている韓国語フレーズをメモ
- 食べ物とお酒の組み合わせを観察
韓国のお酒文化を理解することは、韓国語学習をより深く、楽しくしてくれます。次に韓国ドラマを見るとき、登場人物たちがなぜそのような飲み方をしているのか、どんなマナーを守っているのかがわかると、作品がもっと面白く感じられるはずです。
そして実際に韓国を訪れたとき、現地の人と一緒にお酒を楽しむ機会があれば、この記事で学んだマナーを実践してみてください。きっと「韓国の文化をよく知っているね!」と喜ばれ、さらに深い交流ができるでしょう。
日本とはまた違う視点で「飲む楽しさ」を体験できる韓国。もし韓国に行く機会があれば、こうした文化の違いにもぜひ注目してみてください!

