こんにちは! 韓国ドラマやK-POPニュースを見ていて、「수능(スヌン)」という言葉を耳にしたことはありませんか? 毎年11月になると、韓国全体がこの一大イベントに注目します。
私も最初は「日本の共通テストと同じようなものでしょ?」と思っていました。でも実際に調べたりニュースを見たりすると、想像以上に規模が大きく国を挙げた一大行事だということに驚きました。
この記事では、韓国語学習者の皆さんが韓国文化をより深く理解できるよう、수능(スヌン)について詳しく解説します。日本の大学入学共通テストとの違いや共通点を知ることで、韓国ドラマのセリフやニュースの内容もグッと理解しやすくなりますよ!
この記事で分かること:
- 수능(スヌン)の基本情報と正式名称
- 日本の共通テストとの5つの大きな違い
- 試験当日の驚くべき社会全体のサポート体制
- 韓国独特の受験文化と縁起担ぎ
- 実際に使える韓国語フレーズ
「수능(スヌン)」とは?まずは基本を押さえよう
正式名称と略称の意味
수능(スヌン)は、正式には대학수학능력시험(デハクスハンヌンニョクシホム)といいます。日本語に訳すと「大学修学能力試験」。これを略して수능(スヌン)、または대수능(デスヌン)と呼びます。
日本の大学入学共通テストに相当する、韓国で実施されている全国統一の大学入学試験です。
韓国語での表記:
- 대학수학능력시험 (デハクスハンヌンニョクシホム) ※正式名称
- 수능 (スヌン) ※略称
- 대수능 (デスヌン) ※略称
韓国語を学んでいる方なら、「능력(ヌンニョク)」は「能力」、「시험(シホム)」は「試験」という意味だと気づくはず。日常会話では「スヌン」と短く言うのが一般的です!
試験日程と実施方法
試験日は天災地変などの特異事項がない限り、入学前年11月第3の木曜日に設定され、一日で全ての試験を行います。2024年実施の2025年度試験は11月14日(木)に行われました。
追試験・再試験は実施されません。つまり、文字通り「一発勝負」なんです。これが、後述する国を挙げたサポート体制につながる大きな理由の一つです。
受験者数と規模感
2024年実施の試験では、志願者数が504,588人で、このうち受験者数は444,870人(志願者数の88.2%)でした。内訳を見ると、在学生は全体の65.2%にあたる34万777人、高校卒業生は16万1784人(31.0%)となっています。
注目すべきは、卒業生の受験者数が2004年の18万4317人以来、21年ぶりに最多となった点です。これは2024年に発表された医学部定員増加政策の影響で、医学部を目指す再受験生が増えたためと言われています。
日本の大学入学共通テストとの5つの決定的な違い
ここからが本題です!日本と韓国、似ているようで全く違う大学入試制度。その違いを詳しく見ていきましょう。
【違い①】試験日程:2日間 vs 1日完結
日本の共通テスト: 1月中旬の土日、2日間にわたって実施
韓国の수능: 11月第3木曜日、1日で全ての試験を実施
日本の共通テストは2日間かけてじっくり行いますが、韓国のスヌンは朝から夕方まで1日でまとめて実施します。試験科目は1時間目「国語」、2時間目「数学」、3時間目「英語」、4時間目「韓国史」と「探求(社会/科学/職業のうちから1or2科目選択)」、5時間目「第2外国語/漢文」という構成です。
1日で全科目を終えるため、体力と集中力の配分が非常に重要。受験生は当日の服装まで計算に入れます。ある満点獲得者は「午後の眠気対策のために少し薄着で行った」と語っています。
【違い②】追試・再試験の有無
日本の共通テスト: 病気などやむを得ない事情がある場合、追試験が実施される
韓国の수능: 追試験・再試験は実施されない
これが最も大きな違いかもしれません。韓国では、どんな理由があろうとも再試験はありません。だからこそ、遅刻しそうな受験生をパトカーで送り届けたり、社会全体でサポートする体制が必要なのです。
【違い③】問題形式と難易度
日本の共通テスト: 大問ごとにテーマがあり、複数の小問で構成
韓国の수능: 問題は全科目とも20-45問の独立した問題で成り立っている。日本の大学入学共通テストのように大問のテーマに沿って数問の問題が出される形式ではない
また、難問のレベルも桁違いで、2023年には1問ごとの最低正答率が社会で2.5%、数学で2.6%という問題が出題されたそうです。こうした超難問は「킬러 문제(キラー問題)」と呼ばれ、韓国政府が対策を発表するほど社会問題になっているほどです。
「キラー問題」は高校の学習範囲を超えた難問で、これに対応するために多くの学生が高額な塾に通わざるを得ない状況が、教育格差の問題として議論されています。
【違い④】成績評価の方法
日本の共通テスト: 素点(得点)と平均点、標準偏差などが公表される
韓国の수능: 標準点数(国語・数学領域は平均100標準偏差20)、百分位、9段階の等級の成績(1等級を最上位とする)の計3種類の指標が提供される
国語・数学・探求は相対評価、英語・韓国史・第2外国語/漢文は絶対評価という点も特徴的です。相対評価では、自分だけでなく周りの受験生の出来も合否に影響するため、よりシビアな競争になります。
具体的に説明すると: 相対評価の科目では、たとえ自分が高得点を取っても、他の受験生がそれ以上に良い点数を取れば、自分の等級は下がってしまいます。これが韓国の受験戦争を激化させる一因となっています。
【違い⑤】大学入試における位置づけ
日本の共通テスト: 共通テストの後に各大学の2次試験(個別学力検査)がある
韓国の수능: 随時募集(推薦入試)が77%、定時募集(修能の点数のみ)が23%の割合(2021年時点)
韓国では近年、随時募集の割合が上がり、定時募集の割合が低下している傾向にあります。それでも、国公立・私大問わず多くの大学がこれに参加し、2次試験はなくこの結果を以ての出願結果で合否が決まる大学が多く存在します。
つまり: 日本では共通テストは「1次選抜」の役割が強いですが、韓国では수능の点数だけで合否が決まる大学も多いということ。だからこそ、この1日の試験にすべてがかかっているという緊張感があるのです。
驚き!試験当日の韓国社会のサポート体制
ここからは、韓国独特の文化が色濃く現れる部分です。初めて知る方は、そのスケールの大きさに驚くはずです!
国を挙げたサポート①:交通対策
官公庁と主要企業の出勤時間が午前10時以後に延ばされ、受験生の登校時間帯に地下鉄の運行台数も増える対応が取られます。
さらに驚くのは、遅刻しそうな受験生をパトカーやオートバイで送り届ける光景が普通に見られること。2023年のスヌンで警察が出動したのは214件。このうち、受験生を乗せた事例は178件、受験票などを送り届けた事例は13件だったそうです。
日本では考えられない光景ですが、韓国では「国民の大事なイベントに最大限協力する義務がある」と考えられています。ちなみに、試験会場を間違えて4km離れた学校に行ってしまった受験生が警察に送ってもらった事例もあります!
実際にあったエピソード: ソウル市内で「ソンドン高校」で受験するはずが、名前があべこべの「ドンソン高校」に行ってしまった受験生がいました。公共交通機関では25分かかる距離でしたが、警察の協力で無事に間に合ったそうです。
国を挙げたサポート②:航空機の運航制限
これが最も有名な話かもしれません。英語のリスニングの試験に合わせて、会場付近の上空を飛ぶ航空機の運航制限まで行われるのです。
英語のリスニング試験は13時10分から13時35分に行われるが、この時間に前後の余裕を含め13時5分から13時40分までの35分間、韓国国内のすべての飛行機の離着陸が禁止され、飛行中の飛行機も上空3km以上を保って待機するよう規制されるそうです。
この措置により、2024年度試験では国内線・国際線あわせて156便が影響を受けたといいます。軍も同様に航空機やヘリコプターの飛行を制限するというから徹底しています!
なぜここまで? リスニング試験は1年間の努力の成果を測る重要な試験。たった1機の飛行機の音で集中力が途切れ、人生が変わってしまう可能性があるからこそ、国全体で配慮するのです。
国を挙げたサポート③:金融市場も協力
韓国取引所は取引開始時刻を1時間遅らせ、午前10時に開場する。受験生たちが試験会場に行く交通を邪魔しないための措置です。銀行も午前9時から午後4時までの営業時間を、午前10時から午後5時に変更するなど、金融業界も協力体制を取ります。
1分1秒で数億円が動く金融市場でさえ、この日だけは受験生を優先します。それだけ韓国社会全体が교육(キョユク・教育)を重視し、若者の未来を大切に考えているということですね。
韓国旅行の注意点: スヌンの日(11月第3木曜日)は、航空便の遅延や各種サービスの時間変更がある可能性があります。旅行計画を立てる際は日程を確認しましょう!
試験会場の風景:家族の応援が熱い!
後輩たちによる応援
試験当日には早朝から各学校の後輩たちがコーヒーやパンなどの朝食を準備し、高校名が書かれたプラカードを掲げて試験会場に入る先輩に高得点を祈願して応援する光景が見受けられるそうです。
韓国ドラマで見たことがある方もいるかもしれませんが、これは本当の話。まるでお祭りのような雰囲気で、太鼓を鳴らしながら応援することもあります。
韓国語フレーズ:
- 선배님 화이팅! (ソンベニm ファイティン!) = 先輩、頑張って!
- 꼭 합격하세요! (コk ハpキョカセヨ!) = 必ず合格してください!
家族の付き添いと祈り
試験会場まで家族がついて来ることも少なくなく、付き添いで来た家族が試験会場の外で必死に祈る姿が見られるそうです。母親が寺院で祈ったり、試験会場の門や壁に水飴を貼り付ける姿も見られます(後述する縁起担ぎの一つです)。
予備校や塾も総動員
後輩だけでなく、予備校のスタッフも総出で学生たちを応援する光景も見られます。自分が教えた生徒たちの人生がかかっている日ですから、先生たちも本気です。
韓国独特の受験文化:縁起担ぎと試験前の習慣
定番の合格祈願グッズ
修学能力試験が実施される11月に入ると、韓国の街では合格祈願グッズを販売する店が増え始めるそうです。
1. 餅(떡・トk)と飴(엿・ヨッ)
「付く」という意味の韓国語「붙다(プッタ)」には「合格する」という意味もあり、粘り気があって張り付くものを「志望校に受かるように」との願いを込めて贈るのです。
韓国語フレーズ:
- 붙다 (プッタ) = くっつく、合格する
- 합격했어요! (ハpキョケッソヨ) = 合格しました!
- 붙었어요! (プチョッソヨ) = くっつきました!=合格しました!
- 떡 선물이에요 (トk ソンムリエヨ) = 餅のプレゼントです
文化的背景: この言葉遊びは韓国語ならではの面白さ。日本の「キットカット(きっと勝つ)」と同じ発想ですが、韓国では言語の特性を活かした縁起担ぎが発達しているんです。
2. フォーク
試験はマークシート方式のため、「찍다(チッタ、刺す)」とかけて、「正しい答えを刺せ!」という意味が込められているそうです。
韓国語フレーズ:
- 찍다 (チッタ) = 刺す、(マークシートを)マークする
- 정답을 찍으세요! (チョンダプル チグセヨ!) = 正解をマークしてください!
韓国のコンビニでは、スヌンの時期になると「수능 선물 세트(スヌン ソンムル セトゥ・修能プレゼントセット)」として、これらのアイテムがセットで販売されることもあります!
避けるべきもの:わかめスープ
試験に「滑る」ことから、ワカメスープは喫食しないという俗説もあるそうです。わかめは滑りやすいので、「試験に滑る」を連想させるため縁起が悪いとされています。
韓国語フレーズ:
- 미역국 (ミヨックッk) = わかめスープ
- 시험에 떨어지다 (シホメ トロジダ) = 試験に落ちる
- 미역국 먹지 마! (ミヨックッk モkチ マ!) = わかめスープ食べちゃダメ!
面白い文化: 逆に、誕生日にはわかめスープを食べる習慣があります。母親が出産後にわかめスープを飲んで栄養補給したことから、誕生日=わかめスープという文化が根付いています。でも、スヌンの日だけは例外なんですね!
受験票が割引券に!
試験が終わった後の楽しみも用意されています。スヌンで使った受験票は、テーマパークや映画館、美容院など、様々な施設で割引券として使用できるようになるそうです。
どんな施設で使える?
- エバーランド、ロッテワールドなどの遊園地
- 映画館
- 美容院・ヘアサロン
- カフェやレストラン
これは1年以上頑張ってきた学生への労いの気持ちの表れですね。韓国社会の温かさを感じるエピソードです。
SKY大学と韓国の学歴社会
SKYとは?
SKYとは、韓国で知らない人はいない3大名門大学『ソウル大学』『高麗(コリョ)大学』『延世(ヨンセ)大学』の頭文字をとった通称です。
韓国語での表記:
- 서울대학교 (ソウルデハッキョ) = ソウル大学
- 고려대학교 (コリョデハッキョ) = 高麗大学
- 연세대학교 (ヨンセデハッキョ) = 延世大学
- 스카이 (スカイ) = SKYの略称
スヌンの成績上位1%という狭き門を潜り抜けた人しか行けないため倍率はとても高く、実際にSKYに受かるまで浪人して頑張る学生も多いそうです。
どれくらい難しい? 受験者が約50万人として、上位1%は5,000人。つまり、SKY3校合わせて年間数千人しか入学できない超エリート集団なのです。
なぜそこまで重要なのか?
この試験の結果次第で受験できる大学が、そして高校卒業後の人生が決まると言われているのが韓国社会の現実です。就職氷河期の韓国では、中小企業の給与は大手企業の給与の半分以下、狭き門のSKYを卒業してもサムスン、LGなど韓国大手財閥系企業に入れるのはわずかという厳しい就職事情があるため、大学選びが非常に重要なのです。
具体的な就職状況: SKYを卒業しても大手企業に入れるのは一部。だからこそ、大学入学後も資格取得や高成績を目指して努力をし続けるという状況が続くわけです。
社会的背景を理解する: これは単なる「受験戦争」ではなく、経済格差が大きい韓国社会で「良い人生」を送るための現実的な選択肢が限られているという社会構造の問題でもあります。
受験生の勉強法:韓国の高校生活
「夜間自立学習(야자・ヤジャ)」というシステム
韓国の高校には「夜間自立学習(ヤジャ)」というシステムが存在する。これは学校の居残りのようなもので、授業が全て終わった放課後に学校で夕食を食べ、その後午後6時から10時頃まで予習や復習をするそうです。
韓国語フレーズ:
- 야간자율학습 (ヤガンジャユルハクスプ) = 夜間自立学習(正式名称)
- 야자 (ヤジャ) = 略称
- 야자 가야 돼 (ヤジャ カヤ デ) = ヤジャに行かなきゃ
日本との違い: 日本でも部活後に残って勉強する生徒はいますが、韓国のように制度化されているわけではありません。韓国では学校自体が夜10時まで開いていて、夕食も提供されるという徹底ぶりです。
塾・予備校文化
受験戦争を勝ち抜くために多額の費用が必要であり、2022年の調査では学校外の教育費に全国平均で1人当たり月平均69.7万ウォン(約7万円)がかかったそうです。
江南区大峙洞、陽川区木洞、蘆原区上渓洞はソウル市で教育3大地区と呼ばれる学習塾街として有名で、塾の看板や人気講師の広告が並んでいます。
韓国語フレーズ:
- 학원 (ハグォン) = 塾
- 과외 (クァウェ) = 家庭教師、個別指導
- 사교육비 (サギョユkピ) = 私教育費(学校外の教育費)
社会問題として: この高額な教育費が少子化の一因とも言われています。老後の資金をつぎ込む親も多く、教育費を賄えない家庭や子供を持つことが出来ない夫婦が増え、韓国の出生率を世界最低水準に落ち込ませる要因の一つとして問題視されているのです。
日本の共通テストとの共通点もある
違いばかり強調してきましたが、もちろん共通点もあります。
共通点①:マークシート方式
両国とも基本的にマークシート方式です。韓国では選択肢のある試験を「客観式(客観式)」といい、選択肢のない試験を「主観式(主観式)」という。修能はマークシートだから客観式です。
韓国語フレーズ:
- 객관식 (ケックァンシk) = 客観式(マークシート方式)
- 주관식 (チュグァンシk) = 主観式(記述式)
- OMR 카드 (オーエムアール カドゥ) = マークシートカード
共通点②:全国統一試験
両国とも、全国で同じ日に同じ問題を解く統一試験です。公平性を保つための重要な仕組みです。地域による教育格差をなるべく排除し、すべての受験生に平等なチャンスを与えようという理念は共通しています。
共通点③:人生の大きな転機
程度の差はあれ、両国とも大学入試は人生の大きな転機として認識されています。家族や社会全体が受験生を応援する点も似ています。
ただし、韓国の方がその「重み」がより大きい印象です。試験結果を悲観した高校生や浪人生が自殺するといった事件も過去に起きているという現実もあります。
共通点④:第二外国語の選択肢
日本の共通テストでも、外国語という教科で「ドイツ語・フランス語・韓国語・中国語・英語」の5つから選択して受験することが可能です。韓国でも、第二外国語・漢文領域ではドイツ語I、フランス語I、スペイン語I、中国語I、日本語I、ロシア語I、アラビア語I、ベトナム語I、漢文Iがあるなど、複数の選択肢があります。
興味深いことに、韓国のスヌンで第2外国語/漢文領域を受験した39,040人のうち、日本語受験者は10,925人で領域内最多の28.0%だそうです。日韓で互いの言語を学び合っているんですね!
豆知識: 日本の共通テストでは、英語以外の4科目とも受験者の平均点が英語よりも高くなっており、特に中国語・韓国語などは年度にもよるが英語と比較して10点前後の開きがあるそうです。ただし、この外国語で受験できる大学は限られているので注意が必要です。
韓国語学習に活かせる!スヌン関連の重要表現
スヌンについて理解を深めたら、関連する韓国語表現も覚えてみましょう。実際の会話でも使える実用的なフレーズばかりです!
基本表現
- 대학수학능력시험 (デハクスハンヌンニョクシホム) = 大学修学能力試験
- 수능 (スヌン) = 修能(略称)
- 수험생 (スホムセン) = 受験生
- 수험표 (スホムピョ) = 受験票
- 시험장 (シホムジャン) = 試験会場
- 재수생 (チェスセン) = 浪人生(1年浪人)
- 삼수생 (サムスセン) = 2年浪人生
- n수생 (エンスセン) = n年浪人生
応援・励ましの表現
- 화이팅! (ファイティン!) = 頑張って!
- 꼭 붙을 거야! (コk プチュル コヤ!) = 絶対合格するよ!
- 좋은 결과 있기를 바라요 (チョウン キョルグァ イッキルl パラヨ) = 良い結果がありますように
- 최선을 다하세요 (チェソヌル タハセヨ) = 最善を尽くしてください
- 긴장 풀고 해요 (キンジャン プルゴ ヘヨ) = リラックスしてやってください
- 잘 볼 수 있을 거예요 (チャル ポル ス イッスル コエヨ) = きっとうまくいきますよ
結果に関する表現
- 합격하다 (ハpキョカダ) = 合格する
- 붙다 (プッタ) = くっつく=合格する(口語)
- 떨어지다 (トロジダ) = 落ちる=不合格になる
- 재수하다 (チェスハダ) = 浪人する
- 대학에 가다 (デハゲ カダ) = 大学に行く
- 원하는 대학에 갔어요 (ウォナヌン デハゲ カッソヨ) = 希望の大学に行けました
試験当日の表現
- 시험 잘 봤어? (シホム チャル パッソ?) = 試験うまくいった?
- 떡 선물이에요 (トk ソンムリエヨ) = 餅のプレゼントです
- 수능 대박! (スヌン デバk!) = スヌン大成功!
- 파이팅 넘치게! (パイティン ノムチゲ!) = ファイティングあふれるほどに!
💡実践のコツ: 韓国人の友人や先生に「수능 봤어요? (スヌン パッソヨ?・スヌン受けましたか?)」と聞いてみましょう。きっと思い出話に花が咲きます!
よくある質問(FAQ)
Q1. 韓国のスヌンと日本の共通テスト、どちらが難しいですか?
問題の難易度だけで比較するのは難しいですが、韓国のスヌンでは1問ごとの最低正答率が社会で2.5%、数学で2.6%という超難問が出題されることがあります。これは受験生の97.5%が間違える問題ということです!
ただし、最近は高校教育の範囲を逸脱した難しい問題は出なくなっており、ちゃんと高校で勉強していればスヌン試験対策は十分だとされているという側面もあります。
複雑なのは: 出題がやさしくなり平均点も上がるため、難関大学に入るためには全科目満点近い点数が要求され、ケアレスミスは許されないというプレッシャーがあります。つまり、「簡単な問題でミスしない」というある意味最も難しい能力が求められるのです。
Q2. 韓国では本当に1日で試験が終わるんですか?体力的に大丈夫?
はい、本当に1日で全科目を実施します。1時間目「国語」、2時間目「数学」、3時間目「英語」、4時間目「韓国史」と「探求」、5時間目「第2外国語/漢文」という長丁場です。朝8時40分から始まり、夕方まで続きます。
受験生の工夫: そのため、受験生は体力配分を非常に重視します。実際に満点を獲得した受験生は「午後の眠気対策のために少し薄着で試験に臨んだ」と語っています。会場で震えても「寒さで目が覚めるから」と気にしなかったそうです。服装一つにも戦略があるんですね!
また、昼食の内容も重要。食べ過ぎると午後に眠くなるため、軽めにする受験生が多いそうです。
Q3. 韓国旅行中にスヌンの日と重なったらどうなりますか?
全国の空港では、リスニング試験中の航空機の離着陸が禁止され、文字通り「オールストップ」状態に入るため、日本の観光客は注意が必要です。
具体的な影響:
- 航空便の遅延(特に13時5分~13時40分)
- 公共交通機関の増便や混雑(朝の通勤時間帯)
- 試験会場周辺での交通規制
- 一部店舗の営業時間変更(官公庁、銀行など)
- 主要観光地の混雑(会場近くは避けた方が無難)
旅行者へのアドバイス: スヌンは毎年11月第3木曜日なので、旅行計画を立てる際は日程を確認することをお勧めします!もしこの日に韓国にいる場合は、逆に韓国の独特な文化を体験できるチャンスとも言えます。試験会場の様子を遠くから見学するのも興味深い経験になるでしょう。
Q4. 浪人(재수)は韓国でも一般的ですか?
はい、韓国でも浪人は珍しくありません。特にSKYなどの名門大学を目指す学生は、SKYに受かるまで浪人して頑張る学生も多いそうです。
用語の説明:
- 재수생 (チェスセン) = 1年浪人生(「再修生」という意味)
- 삼수생 (サムスセン) = 2年浪人生
- 사수생 (サスセン) = 3年浪人生
韓国では「何年浪人したか」を数字で表現します。ただし、韓国には男性の兵役義務があるため、大学入学を遅らせることは兵役の時期にも影響します。そのため、日本ほど気軽に浪人を選択できない事情もあります。
まとめ:スヌンを知れば韓国文化がもっと身近に
韓国の大学入試「수능(スヌン)」について、日本の共通テストとの違いを中心に詳しく見てきました。
重要ポイントのおさらい:
- スヌンは11月第3木曜日に1日で全科目実施、追試なしの一発勝負
- 国を挙げたサポート体制:航空機の運航停止、出勤時間調整、警察による送迎など
- 相対評価と絶対評価が混在し、超難問「キラー問題」も出題される
- 餅や飴などの縁起担ぎ、家族や後輩の応援など独特の受験文化
- SKY大学を頂点とする学歴社会が背景にある
今すぐできる3つのアクション
1. 韓国語表現を実際に使ってみよう
韓国人の友人や語学交換パートナーに「수능 힘들었어요? (スヌン ヒムドゥロッソヨ?・スヌン大変でしたか?)」と聞いてみましょう。きっと思い出話に花が咲くはず!
2. 韓国ドラマでスヌンシーンを探してみよう
学園ドラマには必ずといっていいほどスヌンのシーンが登場します。「SKY캐슬(SKYキャッスル)」などの受験ドラマを見ると、この記事で学んだ内容がより深く理解できますよ。この作品は韓国の教育熱と受験戦争を描いた社会派ドラマで、スヌンに向かう家族の姿がリアルに描かれています。
3. 11月中旬の韓国ニュースをチェックしよう
毎年11月になると、スヌン関連のニュースが韓国メディアで大々的に報道されます。韓国語学習の教材としても最適です。「수능」「시험」「수험생」などのキーワードに注目して読んでみましょう!
継続のためのモチベーション維持法
韓国語を学んでいると、文法や単語の暗記に疲れることもありますよね。でも、こうした文化的背景を理解することで、言語学習はぐっと楽しくなります。
スヌンについて知ることは、単なる「雑学」ではありません。韓国社会を理解する重要な鍵であり、韓国人の価値観や考え方を知る入り口でもあります。
韓国ドラマで主人公が「SKY대학교에 가고 싶어요(SKY デハッキョエ カゴ シポヨ・SKY大学に行きたいです)」と言ったとき、その重みが分かる。K-POPアイドルが「수능 잘 보세요!(スヌン チャル ポセヨ!・スヌン頑張ってください!)」と応援メッセージを送る意味が分かる。ニュースで「수능 한파(スヌン ハンパ・スヌン寒波)」という言葉を聞いて、試験日の天候がどれほど重要か分かる。
これこそが、言語と文化を同時に学ぶ醍醐味です!
韓国語学習を続けていると、こうした文化的な違いに出会うたびに新しい発見があります。「違い」を知ることは、相手の文化を尊重し理解することにつながります。そして、それが言語学習を続ける大きなモチベーションになるはずです。
11月になったら、ぜひ韓国のニュースやSNSをチェックして、リアルタイムでスヌンの雰囲気を感じてみてください。きっと、この記事で学んだ内容がより実感を持って理解できるはずです!