はじめに
「韓国旅行に行くけど、お金のことがよく分からない…」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
韓国は日本と同じアジアの国でありながら、お金に関する文化や習慣には興味深い違いがあります。世界トップクラスのキャッシュレス先進国として、2022年には決済比率が99%に達し、現金をほとんど使わない独特の支払い文化が根付いています。
この記事では、韓国旅行で困らないためのお金の知識を完全網羅します。通貨の基礎知識から、お得な両替方法、キャッシュレス決済の実態、さらには日本とは異なる文化的背景まで、実践的な情報をお届けします。
この記事を読むことで得られること:
- 韓国ウォンの基礎知識と最新の為替レート情報
- 損をしない両替方法と最もお得な両替場所
- キャッシュレス大国・韓国での賢い支払い方法
- チップ文化や現金が必要な場面など、文化的な違い
- 旅行予算の立て方と現金・カードの使い分け術
それでは、韓国のお金事情を深く掘り下げていきましょう!
韓国の通貨「ウォン」の基礎知識|紙幣・硬貨の種類と為替レート
韓国ウォン(KRW)とは?
韓国の法定通貨は「ウォン(원/KRW)」です。記号は「₩」で表記されます。
紙幣は4種類:
- 50,000ウォン(約5,300円)
- 10,000ウォン(約1,060円)
- 5,000ウォン(約530円)
- 1,000ウォン(約106円)
硬貨は4種類:
- 500ウォン(約53円)
- 100ウォン(約11円)
- 50ウォン(約5円)
- 10ウォン(約1円)
1ウォン硬貨と5ウォン硬貨も存在しますが、実際の流通はほとんどなく、旅行者が目にする機会はほぼありません。
2025年最新の為替レート
2025年10月時点で、100円は約950ウォン、つまり1円あたり約9.4〜9.5ウォンで推移しています。
簡単な計算方法:
ウォンから円への概算は「ゼロを一つ取る」と覚えると便利です。
- 10,000ウォン → 約1,000円
- 50,000ウォン → 約5,000円
- 100,000ウォン → 約10,000円
ただし、これはあくまで目安。為替レートは日々変動するため、旅行前に最新レートを確認しましょう。
日本との物価比較 2025年のリアルな感覚
2025年春の実際の旅行体験によると、韓国の物価は以前より上がったものの、まだ日本と比べて楽しみやすい価格帯とのことです。
具体的な物価例:
- コンビニのおにぎり:2,000ウォン前後(約210円)
- カフェのラテ:5,000〜6,000ウォン(約530〜640円)
- 地下鉄の基本運賃:1,500ウォン(約160円)
- タクシー初乗り:4,800ウォン(約510円)
- 屋台のトッポッキ:3,000〜4,000ウォン(約320〜425円)
交通費や屋台グルメは比較的リーズナブルですが、カフェや観光地のレストランは日本と同等か、場所によってはやや高めに感じることもあります。
【重要】お得な両替方法徹底比較|明洞が最強な理由
両替場所別レート比較表
実際の両替レート比較(10,000円を両替した場合)をみると、日本の空港で約87,000ウォン、仁川空港で約90,000ウォン、明洞の街中両替所で約92,000ウォンと、場所によって5,000ウォン(約530円)もの差が生まれます。
| 両替場所 | 10,000円→ウォン | 手数料感覚 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 日本の空港 | 約87,000ウォン | ★☆☆☆☆ | △ |
| 日本の銀行 | 約88,000ウォン | ★☆☆☆☆ | △ |
| 仁川空港 | 約90,000ウォン | ★★☆☆☆ | ○ |
| 明洞の両替所 | 約92,000〜95,000ウォン | ★★★★★ | ◎ |
| クレジットカード | レート+手数料1.6〜2.0% | ★★★★☆ | ◎ |
明洞でおすすめの両替所5選
明洞エリアには高レートの両替所が集中しており、2025年10月現在、100円あたり950ウォン前後の好レートを提供している両替所が複数あります。
1. MONEY PLANET(マネープラネット)両替所
- レート:100円→950ウォン
- エリア:明洞メインストリート
- 営業時間:9:00〜21:00(月〜日)
2. 大使館前両替(大使館換銭)
中国大使館の目の前にあり、明洞の両替所の中でも特に高レートで知られています。
- レート:100円→949〜950ウォン
- アクセス:明洞駅5番出口から徒歩約2分
3. 明洞第一両替センター
- レート:100円→950ウォン
- 営業時間:9:00〜深夜まで営業
- 特徴:遅い時間帯でも両替可能
4. マネーボックス両替所 明洞支店
- レート:100円→949ウォン
- 場所:明洞メインストリート沿い
5. 明洞大方換銭所
ソラリア西鉄ホテル明洞の1階に位置し、日本人観光客にも見つけやすい立地です。
- アクセス:明洞駅から徒歩3分
明洞以外でも、弘大(ホンデ)、江南(カンナム)、東大門(トンデムン)にも高レートの両替所があります。観光ルートに合わせて選びましょう。
両替時の必須持ち物と注意点
必ず持参するもの:
- パスポート:韓国での両替には身分証明書の提示が必須
- 日本円(紙幣):硬貨は両替不可
両替時は高額紙幣(1万円札)を使用するのがおすすめです。紙幣の額によってレートが微妙に異なり、高額紙幣の方がレートが良いためです。
避けるべき両替場所:
- ホテル内の両替所(レートが悪い)
- 空港内の銀行窓口(手数料が高い)
- パスポート提示不要の両替所(無許可営業の可能性)
いくら両替すれば良い?旅行日数別の目安
キャッシュレスが進んでいる韓国でも、1日あたり5,000円〜1万円程度、例えば5日間の旅行なら約5万円分の現金があると安心です。
旅行日数別の両替目安:
- 2泊3日:20,000〜30,000円分
- 3泊4日:30,000〜40,000円分
- 4泊5日:40,000〜50,000円分
賢い両替戦略:
- 日本の空港または仁川空港で最低限(5,000〜10,000円分)を両替
- 市内の高レート両替所でメインの金額を両替
- 不足分はクレジットカードやATMで対応
世界トップクラス!韓国のキャッシュレス事情
驚異の99%!韓国キャッシュレス普及率の背景
韓国のキャッシュレス決済比率は2022年に99.0%に達し、世界最高水準となっています。これは日本の約40%(2023年時点)と比べると圧倒的な差です。
なぜ韓国はこれほどキャッシュレス化が進んだのか?
1. 政府の強力な政策
1999年のアジア通貨危機後、韓国政府はクレジットカード使用額の20%を所得税控除の対象にしたり、年間売上が一定規模以上の店舗にはカード決済受け入れを義務化するなど、強力な政策を展開しました。
2. 高い税収透明性の実現
2005年に「現金領収書制度」が導入され、現金での決済も国税庁にデータとして送信される仕組みが整備されました。これにより脱税や地下経済の防止に成功しました。
3. スマートフォン普及率の高さ
韓国のスマートフォン保有率は2023年時点で97%を超えており、この高いインフラ環境がモバイル決済の発展を後押ししています。
韓国で使える主要キャッシュレス決済
韓国では「간편결제(カンピョンギョルジェ/簡便決済)」と呼ばれるモバイル決済サービスが日常生活に深く浸透しています。
韓国人がよく使う決済方法:
- クレジットカード(最も普及)
- Naver Pay(ネイバーペイ)
- Kakao Pay(カカオペイ)
- Toss Pay(トスペイ)
- Samsung Wallet(サムスンウォレット)
旅行者が使える決済方法:
- VISA/Mastercard/JCB(国際ブランド)
- Apple Pay(対応店舗で利用可能)
- WOWPASS(旅行者向けプリペイドカード)
- T-money(交通系ICカード、一部店舗でも使用可)
2025年9月以降、PayPayも韓国で海外支払いモードにより利用可能となりました。
現金とキャッシュレス、どっちを使うべき?
韓国旅行では「現金とクレジットカードどちらか」ではなく、両方を柔軟に使い分けるのがおすすめです。
クレジットカードを使うべき場面:
- ホテル、レストラン、カフェ
- デパート、コンビニ
- 観光施設のチケット購入
- タクシー(ほとんどがカード対応)
現金が必要な場面:
- 伝統市場の屋台や小規模店舗
- 一部の個人商店
- チムジルバン(韓国式サウナ)のロッカー代
- 個人間の中古取引
カード決済が非常に普及しているため、韓国では厚い財布を持ち歩く人はほとんど見かけません。
WOWPASSって何?旅行者に便利なプリペイドカード
WOWPASSは外国人旅行者向けのプリペイドカードで、日本円でもチャージ可能、有効期限は発行から6年間と長く、次回の韓国旅行でも使えます。
WOWPASSのメリット:
- 空港や主要観光地の専用機で即時発行
- T-money機能一体型
- 実店舗での支払いにほぼどこでも使える
- オリーブヤングやスターバックスのクーポンが使える
チップは必要?日本と韓国の文化的違い
基本原則:韓国にはチップ文化がない
韓国には基本的にチップの習慣がありません。これは日本と同様で、サービス料金があらかじめ商品やサービスの価格に含まれているためです。
チップが不要な場面:
- レストラン、カフェ
- ホテルのベッドメイキング
- タクシー
- エステ、マッサージ
2013年に施行された「食品衛生法」により、レストランの料金にはサービス料が含まれているため、別途チップを渡す必要がないのです。
例外的にチップを渡すケース
空港のポーターサービスや個別に依頼したガイドへの謝礼など、特別なサービスを受けた場合には少額のチップを渡すことがあります。
チップの相場(渡す場合):
- 空港ポーター:荷物1個につき1,000〜2,000ウォン
- プライベートガイド:5,000〜10,000ウォン(1日の場合)
- ホテルで特別な依頼:5,000ウォン程度
2023年7月から、一部の配車サービスでは「感謝チップ」制度が導入されていますが、これも義務ではありません。
日本と同じ「感謝の言葉」文化
韓国では、チップの代わりに「고맙습니다(コマプスムニダ/ありがとうございます)」「감사합니다(カムサハムニダ/ありがとうございます)」と感謝の言葉を伝えることが大切です。
韓国語で感謝を伝える表現:
- 감사합니다(カムサハムニダ):丁寧な「ありがとうございます」
- 고맙습니다(コマプスムニダ):やや親しみを込めた「ありがとうございます」
- 감사해요(カムサヘヨ):カジュアルな「ありがとう」
韓国には見返りを求めずに助けるという文化が根付いており、困っている人を手助けすることが当たり前とされています。この儒教文化の影響で、サービスに対して特別な報酬を支払う習慣が根付かなかったとも言われています。
日本と韓国のお金文化 興味深い5つの違い
1. キャッシュレス普及率の圧倒的な差
2016年の比較では、韓国のキャッシュレス比率が96.4%だったのに対し、日本はわずか19.8%でした。2025年現在でも、この差は大きく残っています。
なぜこれほど違うのか?
- 韓国:政府主導の強力な政策、税制優遇
- 日本:現金への信頼が高い、災害時の現金需要
2. 小額決済でもカードが当たり前
韓国ではコンビニでジュース1本(約1,000ウォン=約106円)を買うだけでもカードを使うのが普通です。日本では小額決済は現金という意識がまだ強いですが、韓国ではむしろ現金の方が珍しいくらいです。
3. 個人間送金の文化
韓国では、カカオトークを通じた友人間の送金がよく使われており、銀行口座を知っていれば簡単に送金できます。日本でもPayPayやLINE Payなどで個人間送金が増えていますが、韓国ではより一般的です。
4. 現金領収書システム
韓国では現金での決済を受け付けた際にも、事業者は専用端末から現金領収書を発行し、決済の記録が国税庁にデータとして送信されます。これにより、現金取引でも透明性が確保されています。
5. カード決済が義務化されている業種
韓国では年間売上が一定規模を超える店舗には、クレジットカード決済の受け入れが法律で義務付けられています。これは日本にはない独特の制度です。
実践!韓国旅行のお金管理術
旅行前の準備チェックリスト
□ クレジットカード(2枚以上)
- VISAかMastercardが推奨
- 海外キャッシング機能を確認
- 利用限度額を確認・必要なら引き上げ
□ 少額の現金(日本円)
- 空港での最低限の両替用に10,000円
- 明洞での両替用に30,000〜50,000円
□ パスポート
- 両替時に必須!
□ スマートフォン
- 配車アプリ(Kakao Taxi)のダウンロード
- 地図アプリの準備
- 為替レート計算アプリ
1日のお金の使い方モデルケース
朝食(カフェ):8,000ウォン → カード払い
- アメリカーノ + サンドイッチ
地下鉄移動:1,500ウォン → T-moneyカード
- 基本運賃
ランチ(レストラン):15,000ウォン → カード払い
- キンパ + チゲセット
屋台おやつ:4,000ウォン → 現金
- トッポッキ
カフェ休憩:6,000ウォン → カード払い
- ラテ + デザート
ディナー(焼肉):30,000ウォン → カード払い
- サムギョプサル1人前
コンビニ(夜食):5,000ウォン → カード払い
- ラーメン + 飲み物
合計:約69,500ウォン(約7,360円)
→ カード:64,000ウォン、現金:4,000ウォン、T-money:1,500ウォン
トラブル対策:もし現金が足りなくなったら?
対処法1:海外ATMでキャッシング
- セブンイレブンなどのATMでクレジットカードキャッシング
- 手数料はかかるが、レートは比較的良好
対処法2:近くの両替所を探す
- Naver地図アプリで「환전소(ファンジョンソ/両替所)」を検索
対処法3:クレジットカードが使える店を選ぶ
- ほとんどの場所でカード払い可能
帰国前:余ったウォンをどうする?
選択肢1:次回の旅行用に保管
- WOWPASSなら有効期限6年
- 現金も保管可能(ただし為替リスクあり)
選択肢2:空港で再両替
- レートは良くないが、少額なら気にならない
選択肢3:空港で使い切る
- お土産購入、カフェで一息
- カード併用で端数を現金で支払う
よくある質問(FAQ)
Q1. 韓国旅行にいくら持っていけばいい?
A: キャッシュレスが進んでいる韓国では、滞在日数×5,000〜10,000円程度の現金があれば十分です。例えば3泊4日なら3〜4万円分の現金があれば安心です。それ以上の支払いはクレジットカードを活用しましょう。
Q2. クレジットカードは本当にどこでも使える?
A: はい、韓国はキャッシュレス化が非常に進んでおり、デパート、コンビニ、レストラン、カフェ、タクシーなど、ほとんどの場所でクレジットカードが使えます。ただし、伝統市場の屋台や一部の個人商店では現金が必要な場合もあります。
Q3. 日本で両替するのと韓国で両替するの、どっちがお得?
A: 圧倒的に韓国での両替がお得です。特に明洞などの街中の両替所は日本や韓国の空港よりも5%程度レートが良いことが多いです。日本では最低限の金額だけ両替し、残りは現地で両替するのが賢い選択です。
Q4. T-moneyカードって買うべき?
A: はい、非常に便利です!地下鉄やバスの乗車がスムーズになるだけでなく、一部のコンビニでも使用できます。カード本体は4,000ウォン(約425円)で、コンビニで購入・チャージ可能です。WOWPASSを作れば、T-money機能も一体となっているので更に便利です。
Q5. もし現金を使い切れなかったら?
A: 余った現金は次回の旅行まで保管するか、空港で日本円に再両替できます(レートは悪め)。少額なら空港のカフェやお土産購入で使い切るのもおすすめです。WOWPASSに入金しておけば有効期限が6年間あるため、次回の旅行で使えます。
Q6. スマホ決済(PayPay、LINE Pay)は使える?
A: PayPayは2025年9月から海外支払いモードで韓国でも利用可能になりました。ただし、使える店舗はまだ限られています。基本的には国際ブランドのクレジットカード(VISA、Mastercard、JCB)を持っていく方が確実です。
まとめ
韓国は世界トップクラスのキャッシュレス先進国で、キャッシュレス決済比率は99%に達しています。しかし、完全に現金が不要というわけではありません。賢く現金とカードを使い分けることが、快適な韓国旅行の鍵となります。
重要ポイントの振り返り
✅ 通貨の基本: 1円=約9.4〜9.5ウォン、「ゼロを一つ取る」で概算可能
✅ 両替のコツ: 明洞などの街中両替所が最もお得、パスポート必須
✅ 支払い方法: カード中心+少額の現金、1日あたり5,000〜10,000円が目安
✅ チップ文化: 基本的に不要、感謝の言葉「감사합니다」を忘れずに
✅ 文化的特徴: 韓国は政府主導でキャッシュレス化を推進、日本との大きな違い
今すぐできる3つのアクション
1. クレジットカードの準備(出発1ヶ月前)
- 海外利用可能なVISA/Mastercardを2枚用意
- 海外キャッシング機能をオンに
- 利用限度額の確認・引き上げ手続き
2. 両替計画を立てる(出発1週間前)
- 旅行日数から必要な現金額を計算
- 明洞など高レート両替所の場所をチェック
- 1万円札を用意しておく
3. スマホアプリの準備(出発前)
- Naver地図アプリのダウンロード
- Kakao Taxiアプリのインストール
- 為替レート計算アプリの準備
韓国旅行では、お金の知識があるだけで旅の満足度が大きく変わります。高額な手数料で損をしたり、支払い方法が分からず戸惑ったりすることなく、観光やグルメを思い切り楽しめるようになります。
キャッシュレス大国・韓国の先進的な支払い文化を体験することは、単なる旅行以上の学びにもなるはずです。日本でもキャッシュレス化が進む中、韓国の事例は非常に参考になります。
お金の心配を最小限にして、思い切り韓国旅行を楽しんでください!
出発前の最終チェック:
□ パスポート
□ クレジットカード(2枚)
□ 少額の日本円(両替用)
□ スマートフォン+充電器
□ 明洞の両替所情報
準備万端で、素敵な韓国旅行を! 안녕히 가세요(アンニョンヒ ガセヨ/さようなら、お元気で)!

